出会い


愛犬ドナとの出会い。それは、突然やってきた・・・

2002年3月。お義母さんからの1本の電話。全てはそこから始まったー

「もしもし、歌織ちゃん。お義母さんやけど、子犬いらん?」
 あまりにも突然すぎて、あたしはパニック状態になった。
「え!?犬??それって・・・ええ!?」         
「あのね、お義母さんのね、お友達の所に柴犬がいるねんけど、
 この前赤ちゃんを産んだのよ。それでね、貰ってもらえないかって電話がかか
ってきたの。どう?いらない?」
 焦るあたしをよそにお義母さんは呑気そうだった。
「いつかは飼いたいなぁとは思ってたんですけど・・・」
 独り言みたいにか細い声で返事をすると、
「そう?じゃ、頼んでみるわね!!いつ貰えるか分からないけど。
あ、そうそう。子犬ね、雑種やねんけど、構わないわね?
母親は柴犬なんだけど、どっかで子供作ってきたみたいで父親が分からないんだ
って。」
 電話が切れた・・・あたしはしばらくボ〜ッと子犬の事を思い浮かべていた。
(雑種の子犬かぁ。どんなコだろう。柴犬っていってたから、毛の短いコだよ
ね。旦那が帰ったら話しよう)

旦那はその話を聞いて、ひどくビックリしていた。まあ、当然だろう。
「何!?犬!?家買ったばっかりでお金ないゆーてるのに飼えるんか?
そりゃあ俺もいつかは欲しいと思ってたけど。それに・・・」
 旦那は突然の子犬の話に反対だった。ちゃんと育てられるのかが一番の理由だ
ったが、彼は他にもう一つ、納得出来ないモノがあったのだ。
「だって、雑種やろ?それも野良犬が父親の。そんなん嫌や。
俺はちゃんとした血統書つきの犬がいいねん。だから、いらん」
 旦那の言葉に少し傷ついた。雑種犬の存在自体が否定された気がしたから。
「何で!?雑種嫌なん?あんた、確かにコーギー欲しいっていってたけど、
高いから買われへんやん。それにもう、お義母さん頼んでくれてるし」
「何で勝手に話進めるねん」
 旦那との会話はそこで終わった。あたしは、旦那との会話の中で、子犬が欲し
いって気持がだんだんと膨らんでいった・・・


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